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「心の病」なんかない。

「心の病」なんかない。

そう言われると、「え? 何言ってるの?」って思いますよね。

私もそう思いました。

「心の病」なんかない。 は本のタイトルです。

著者は精神科医の大野裕さん(認知療法の第一人者みたいです)、出版社は幻冬舎です。

私が、どうしてこの本を読もうかと思ったのか。

それは、こんなツレでゴメンナサイ。でツレさんお勧めの本として紹介されていたからです。

(こんなツレでゴメンナサイについては5月29日の記事をご覧ください)

そうじゃなければ、何言ってんだよ、全く・・・と思い手にも取りません。

だって、うつ病は心の病じゃん!!

そんなのおかしいでしょ~と思うからです。

皆さんもそう思いますよね?

(・・・思わないかな)

でも、ツレさんが勧めるなら読んでみようと、図書館で借りてきました。





一言で感想を書くと、すごくいい本です!

文字が多いけれど、項目ごとに分かれているので、読みやすいです。

そして、精神科医が書いた本ではありがちな上から目線じゃなく、患者目線で書かれています。

事例をあげているので、理解しやすいです。

難しい理論よりも、読んだ人のためになることが書かれています。





1章はストレスの処理の仕方について

→ これは、健康な人が読んでも役立ちます。

うつ病が治った後、心がけたいことがたくさん載っています。

2章はうつ病についての基本的な事柄・捉え方やうつ病になったらどのように行動するのがいいかについて

→ こういう内容は他の本にも載っているけれど、具体的かつコンパクトにまとめて書かれているので理解しやすいです。

3章は様々なピンチののりこえ方について

→ 別れ、不妊、男女の更年期、退職後など、これも具体的で分かりやすいです。

4章は総合的な内容で、心についての様々な知識、考え方、これからの精神治療について

→ ここの章の「心の病」という項目が特にお勧め!

他にも、薬への抵抗感、よい医者の条件など、現実的な内容が多く、役立ちます。





では、私が一番いいと思った「心の病」について簡単に紹介しますね。

精神疾患は、「脳」の問題であり、「脳」を治療するのだ、と述べています。

「心」が病気になったということで、その人が持っている人間的な温かみや本質まで否定されているような印象を受けるということです。

「精神疾患の患者は心から悩んではいるけれど、心が病んでいるわけではない」と著者は考えているそうです。

私は、この部分を読んで、すっと心が軽くなりました。

精神疾患は脳内の神経伝達物質がおかしくなるということは、前々から知っていましたし、そう考えていました。

でも、何か納得しきれない部分もありました。

それは、私自身、心から悩んでいる状態だったからです。

自分の性格のこと、仕事のこと、家族のこと・・・etc. 悩みはつきません。

私は脳の病気になっていて、脳を治療しているのだ、と思っていました。

ただ、脳 = 心だと思っていたので、心までおかしくなっているのではないか、人間としてだめなんじゃないか、と考えていました。

でも、そうじゃない。

脳はおかしいけれど、心はちゃんとしていて正常だ。

感謝、優しさ、嬉しさ、喜びといった感情は弱いながらも残っている。

これは、私が比較的軽いうつ病だから言えることなのかもしれません。

でも、この本を読んで、心に抱えていた重みが少し軽くなりました。





このように、具体的な効果がある本は、間違いなくいい本です。

これは、うつ病の本に限らず、小説、エッセイ、マンガなど本全般に言えることです。

だって、読んだ後に何か具体的な変化がないなら、わざわざ本を読む必要なんてないですよね。

そういう訳で、「心の病」なんかない。はいい本です。

よかったら、皆さんも読んでみてくださいね。





ところで、こんなツレでゴメンナサイ。の紹介記事のところで、ツレさんお勧めの本は教えないって書いていたことを覚えている方、いるでしょうか?

記憶力のいい方なら、覚えているんでしょうね。

(こういうことって女の人の方がよく覚えているんだよなあ・・・)

でも、ツッコミはなしですよ。

私は、気分屋なので、気が変わったんです。

だって、いいと思った本は、人に勧めたくなりますよね。

それにしても、本のタイトルだけで偏見を持たずに、読んでみるってことも大事ですね。

だいたいの人が本のタイトルで手に取るかどうかを決めていると思うんですが、今回のようにタイトルでいまいちかなと思っても、内容はすばらしいということもあるので。

あ、でも、「心の病」なんかない。というタイトルは、インパクトがありますよね。

私みたいにひねくれ者じゃなければ、手にとって読みたくなるタイトルかもしれません。




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コメント

こんにちは。
いつも興味深いものを紹介していただいて、ありがとうございますhappy01
私はこのところ、ずっと引きこもっているので本屋どころか、どこにも行っていないのですが、明日は診察日なので、本屋さんに行く元気があれば行ってみようかな、と思いますclover

投稿: ゆめ | 2008年6月 5日 (木) 12時38分

こんにちは。

この本は読んだ事ないのですが、「心の病じゃない」っていことは何かで見たことがあります。
確かに科学的に言ったらそうかもしれないですね。

私の義母が脳の病気で手術した後、「うつ」に似た状態になった事があります。必ずしも、「脳の病気」=「うつ」じゃないですけど、なんかの関連性はあるのかなぁ~って、義母と話をしていたとき感じた事がありました。

心を操作しているのが脳なんでしょうね。。。

投稿: とし@宮城 | 2008年6月 5日 (木) 15時22分

私もカウンセラーにうつは「心の病気」じゃない「体の病気」だと言われて気分が軽くなりました。

気の持ちようなんかじゃないんですよね。

この本、もう少し気力が出てきたら読んでみます。

投稿: J | 2008年6月 5日 (木) 15時52分

すごくいい本ですね。
最初タイトルを見た時、「えっ?」と思いましたが
そうそう、心は悩んでいるけど、脳の病気なんですよね。
脳が病気になってるから、心が悩むっていうことですよね。
素敵な本、いい本は紹介してくれると、ものすごく
ありがたいです。
どんな本を読もうかな~とか思ってる時に、
これお勧め!みたいなのがあると、すごく助かります。

投稿: あおぞら | 2008年6月 5日 (木) 16時57分

「欝は脳の病気」ということ、鬱になってから知りました。
看護師の私でさえそうなのですから、普通の人の認識なんて
もっと低いですよね。
脳の病気だということを知ってもらいたくても、なかなか理解してもらえません。
だから平気で「欝は思い込みでなるんだよ」とか言う人が出てくるんですよね。
「脳の病気」ということを、もっと世間の人に理解してもらいたいです。

投稿: hikaru | 2008年6月 5日 (木) 19時12分

こんばんわ。ぽとすさんに薦められて読んでみたい、と思いました。図書館で置いてなかったので・・・。いい本にめぐり合えましたね。おすすめ文がわかりやすかったです。

投稿: たけかな | 2008年6月 5日 (木) 20時18分

勇気づけられる内容ですね。ぽとすさんの記事を読んで、気持ちが軽くなりました。本屋さんで探してみます。
そうですよね、「心」は病んでるわけではないのですよね、うん。

投稿: みぃゆ | 2008年6月 5日 (木) 20時25分

私の主治医の先生も「うつ病は脳という臓器の一時的な機能障害で、心とか、人間性とか今までの生育歴に問題があるわけではない」とおっしゃってくださってとても楽になりました。
いい本を紹介してくださって本当にありがとうございます。

投稿: 熊五郎 | 2008年6月 5日 (木) 21時19分

ぽとすさんこんばんは。
いい本を紹介してくださってありがとうございます。
早速図書館に予約を入れました。

大野先生の書かれた物は、これまで新聞のコラムなどで
時々拝見していたのですが、著書は初めてになります。
でも、基本的な考え方が私にはぴったりあてはまる
先生なので、この本も楽しみにしております。

投稿: ゆう | 2008年6月 6日 (金) 01時41分

大野裕先生の本は「「うつ」を治す」を読んだことがあります。

「心の病」なんかない。
そうですね。私もそう思うことでかなり気持ちが楽になりました。
やはり私も脳が一時的にパンクしているだけで、きちんとした治療を続ければきっと必ず治るんだと信じています。
自分の身体の認知を一番大切にしています。
「「心の病」なんかない。」も読んでみようかなぁ。

投稿: ぼく | 2008年6月 6日 (金) 18時25分

ぽとすさん、おはようございます。

偶然、今日の私のブログの記事のテーマとちょっと似ているかなって思いました。

記事の中で「うつ病という病気が自分を責めるという思考を産み出している」といったようなことを書いたのですが、少し分かりにくいかなって思っていました。

たぶん、その本の方がはるかに分かりやすくて、いい本だと思います。

投稿: まさ@茨木 | 2008年6月 7日 (土) 07時24分

>ゆめさん

お役にたててよかったです。
読みやすい本ですので、ぜひ読んでみてください。
脳が疲れた状態だから、短い文のうつ病本はありがたいです。
ただ、それほど、メジャーではないので本屋に
置いてあるかどうか。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時15分

>とし@宮城さん

うつ病はセロトニンがどうとか、っていう説が有力です。
ただ、はっきりと証明されているわけではないようですね。
まだまだ研究中ってところでしょうか。

ただ、脳の中の神経伝達物質がおかしくなっていることは、
確かなので、脳の病気と考えたほうが気持ちも楽になると思います。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時18分

>Jさん

脳も体の一部ですから、そのとおりですね。
気の持ちようだと周囲から言われるのも辛いですが、
患者もそのように考えてしまいがちだと思います。

そうじゃないんだ、ってことがこの本にはかいてありますよ。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時19分

>あおぞらさん

やっぱり、え? と思いましたか~
僕と同じですね。
最初はそう思いますよね。
でも、いい本なのでぜひ一度読んでみてください。

僕は本を読むのが好きなので、
簡単な本だと一日2冊くらい読みます。
またいい本があったら紹介しますね。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時21分

>hikaru さん

思いこみだと言われても困りますよね。
「うつ病は心の風邪」というチャッチフレーズで、
うつ病に対する敷居は低くなりました。
でも、誤解を与えてしまっている部分もあるので、
また新たなチャッチフレーズが必要かもしれませんね。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時24分

>たけかなさん

図書館にありませんでしたか。
残念です。
いい本だと思うので、買ってみてもいいかもしれませんよ。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時26分

>みぃゆさん

私の紹介した部分以外にも気分が軽くなる文章はたくさん載っていますよ。
うつ病患者が読んで、気分が軽くなる本って、なかなかないですから。
貴重な本です。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時28分

>熊五郎さん

その先生、はっきりおっしゃってくれていいですね。
そう言われると安心できますよ。
うつ病は脳の障害ですからね。
性格も関係ないですよね。

でも、僕は、その先生の言葉で「今までの生き方に問題があるわけではない」って部分はひっかかります。
うつ病になったということは、生き方を見直すいい機会なんじゃないかと思うので。
同じような生き方をしていたら、また同じようにうつ病になっちゃう気がします。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時32分

>ゆうさん

予約したんですね。
紹介したかいがありました!
先に借りている人が早く返してくれるといいですね。

大野さんって有名な精神科医なんですね。
僕はこの本を読むまで知りませんでした。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時34分

>ぼくさん

うつを治すっていう本もあるんですね。
そちらも読んでみたくなりました。

心の病なんてない。もいい本なのでぜひ読んでくださいね。
うつ病のいい本ってなかなか少ないですから。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時36分

>まさ@茨木さん

うつ病が自責を作り出している。
そうですよね。
分かりにくくないですよ。
分かりやすいです。

外から見えない分、余計にたちが悪いんですよね。
頭の中がどうなっているかなんて、見えないから。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 11時40分

わたしは本に関わる仕事を長い間してきましたが
本の内容より幻冬舎というところが引っ掛かります
残念ながらあまり良い出版社ではないからです
エンターテインメントに特化した出版社です
この本がもう少し信用のある医学系の出版社から出ていれば
買ったかもしれません…

投稿: honnohonno | 2008年6月 7日 (土) 13時57分

> honnohonno さん

幻冬社は、あまりよい出版社ではないんですか・・・
出版社のことは、僕には詳しくは分かりませんけど、
本の内容は読みやすくていいですよ。
確かにあまり医学的な内容ではないです。
あと、大野さんという方は、認知療法では第一人者らしいので、
そこまでひどい内容ではないはずですよ。

出版社っていろいろありそうですね。
私は村上春樹さんが好きなので、
講談社、新潮社が好きなんです。
この2つの出版社はどうなんでしょう?
今度こっそり教えてください。

投稿: ぽとす | 2008年6月 7日 (土) 17時00分

> honnohonno さん

ありがとうございます。
読んだのでさっそく消しました。

うーむ、そうなんだ・・・という感じです。
どこの業界もいろいろありますね。

投稿: ぽとす | 2008年6月 9日 (月) 09時28分

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