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コンクリートの隙間から


※ 小説カテゴリーです。うつ病とは関係ありません。




Sirohana












<花>

ねえ、僕たちはどうして、土じゃなくて、コンクリートの隙間から生まれてきたのかな。

僕たちの仲間は、みんな土に根を下ろしてのびのびしてるのに。

僕たちもあっちのほうに咲いている仲間のところに行きたいな。

だってさ、こんな隙間じゃ、閉じ込められているみたいで、少し窮屈なんだもの。



あ、誰かが僕たちのことを見ているよ。

どうして、あっちのほうに咲いている仲間たちじゃなくて、僕たちを見るんだろう。

それに、この人、何だか悲しそうな顔をしてるな。

何か辛いことでもあったのかな。



うん?

この人、僕たちに触ってくるよ。

なぜだろうね。

少しくすぐったいけど、でも優しい感じがするよ。



あれ、どこかに去って行くみたい。

僕たちはここから動くことができないから、あの人がちょっとだけうらやましいな。

僕たちは動けないし、風がふいたらゆらゆら揺れるだけ。

でもね、太陽を浴びられて、雨が僕たちに水を分けてくれるから、僕たちはそれで十分なんだ。

時々、虫たちが僕たちのところに遊びにも来てくれるしね。

あの人、また来てくれるといいな。



<私>

私は、久しぶりに実家に帰ってきたときに、その花を見つけた。

玄関先のポストの下にひっそりと生きているその花を。

庭を見ると、同じ種類の花が咲いている。

種が飛ばされて、こんな狭いところで、育ったんだろう。



花の名前は分からない。

でも、そんなことは関係ない。

全く関係ない。

ただ、花が、こんなにも細くて弱そうな花が、力強く育っていることに心を揺さぶられた。

今の私とは対照的だ。

私は、ただ息をして、ただ動くだけの存在だ。



私は、名前も知らない花に触れてみた。

少し力を加えすぎると、折れてしまいそうだ。

でも、花は何も言わないし、何も感じていないみたいに見える。

私は花を触っていると、不思議な気持ちになった。

花の生きる意志、太陽の光を精一杯浴びようとする心を感じとった。

そして、植物が呼吸している音を聞いた。



この花は、いつからここに咲いて、いつまで生き続けられるのだろう。

そんなことを考え、私は花から離れて、部屋に戻った。







以上です。

あまり、うつ病と関係なくてゴメンナサイ。

でも、こういうのを書くのが大好きなので、良かったらこれからもお付き合いくださいね。





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コメント

ぽとすさん、こんばんはcatface
素敵な小説でしたよー。
ぽとすさんの優しさが出ていると思いました。
コンクリートの隙間から、育ったお花の生命力
とても植物の強さを感じました。
これからも、書き続けていってください!
楽しみにお待ちしてます。

投稿: あおぞら | 2008年5月12日 (月) 17時28分

私、ブログにもupしたと思いますが、そういうのよく見つけるんですよね^_^;
このタイトル通り、コンクリートの隙間から咲く花。
それだけ、私が下向いて歩いているということかな?

でも、植物の生命力って本当に強いですね。
そこがどんな場所であろうが、花を咲かせることだけに一生懸命になれるんですから…。

投稿: ゆめ | 2008年5月12日 (月) 17時54分

小説カテゴリーですか。いいですね(^-^)
私は吹奏楽をやってるんですが、少々作曲もしています。(^-^;

数年前に 交響詩「水の郷・森林の詩」って言う曲を作りました。この曲を作った背景を自分で詩にして、演奏前に読んでもらった記憶がよみがえります。

手前味噌ですけど読んでみてください。


「ねえお父さん。この水は何処からきたの?」
「この水はね、あの高い緑の沢山ある山からきたんだよ。」

限りなく空に近く聳え立つ 緑多き山々
そこは、生命の郷とも言える 水のふるさとなのです。
山にはさまざまな種類の樹木が生い茂っていて
その樹木いっぽん一本は深く深く根をはり
木々の生命である水を吸い上げ、自らの中に蓄えているのです。
森はそう行った沢山の水を蓄えているダムとも
言えるでしょう。

それらの木は、自らの力で育て上げた子供達を
濃い緑色に染め上げ、太陽の光を一杯に受けるのです。
秋になると彼らは、緑から赤や、黄色に姿を変え
そして、大地に帰っていきます。
土に返った子供達は、神の恵みでもある水を更に磨きをかけ
岩や土の間から、生命の水を生み出すのです。

この水は次第に仲間を増やし
小さな流れから、大きな流れへと
その姿を変えると同時に
清らかな風邪、空気をも作り出していくのです。
その磨かれた風は、植物を癒し
そして私達人をも癒しているのでしょう。

山の、森の生命である水は
生きるものすべての大切な宝物なのです。

「それじゃお父さん、森はどうやって出来たの?」
「森はね…・」

この後に曲が始まります。。。ちょっと恥ずかしいですね(^-^;

投稿: とし | 2008年5月12日 (月) 19時14分

わぁ、リンクコメントつきですねぇ。何か嬉しいです!
てか小説素敵ですね。
ぽとすさんのほんわかした性格が出ていますね。
私は詞とか小説は全く書けないので尊敬します。

またこういうの書いてもらいたいです。

投稿: るりは | 2008年5月12日 (月) 20時51分

素敵ですねぇ~!
ちょっとした物語ですね。

投稿: hikaru | 2008年5月13日 (火) 07時51分

ステキな小説です♪
そして、そんな花に心を揺さぶられることができる、
そんなぽとすさんはステキです。

良かったら私のブログにリンク貼らせて頂けませんか。

OK頂けるようだったらOK!と一言私のブログにコメント残して頂けると幸いです。

投稿: J | 2008年5月13日 (火) 12時32分

花視点とぽとすさん視点があったのがよかったと思いました!
花だけで終わってしまったら、こんなにしみじみとした感じには
ならなかったと思います♪
ぽとすさんの視点、いい感じですよ!^^

投稿: ハピィぱぱ | 2008年5月13日 (火) 15時37分

綺麗な短編ですね。

私も一度だけ「短編」をブログで発表したことがあります。

あまりにシュールすぎて、ものすごく評判が悪かったです・・・。

投稿: まさ@茨木 | 2008年5月13日 (火) 16時30分

リンクOKありがとうございます♪
早速リンクさせて頂きました。
これからもよろしくお願いします

投稿: J | 2008年5月13日 (火) 21時45分

花と私の両方の気持ちが描かれ、ちょっと哀愁漂う感じが素敵でした!!いい感じです。

投稿: たけかな | 2008年5月13日 (火) 22時17分

小説もものされるのですね!
うらやましい才能だわ~。
花と自分を対比して捉えられているのですね。

その文章力のかけらでもいいから私に分けて欲しいです!
私が何かを言葉で表現しようとすると、なんか回りくどくて冗長になっちゃって、あげくお前は何が言いたいんや?って感じです(^^ゞ

投稿: やまぶき | 2008年5月13日 (火) 23時05分

非常に楽しく拝見させていただきました(二度読みました)。
読んでた時は心が堕ちかけていたので、この優しい小説でほんわりとしました。
また、書いていただきたいです、是非。
心が少し楽になりました、不思議です。

投稿: ぶぶぅ | 2008年5月14日 (水) 01時02分

>あおぞらさん

誉めていただいてありがとうございます!
そういう風に言っていただけると、かなり調子に乗って、
次回も書く可能性大ですよ。

植物の持つ生命力に気がつかせてくれたのは、
うつ病になってからです。
それまでは、植物に目をとめることすらありませんでした。
今は、世界を違う視点からみれるいいチャンスなのかも、
とちょっと強引ではありますが考えています。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 15時57分

>ゆめさん

ゆめさんのブログでも、よく植物、花の写真が登場しますよね。
お互い、下を向いてあるいているっていうことでしょうか・・・
でも、ほんとに、彼ら(植物)は立派ですよね。

あの生命力を、見るたびに勇気付けられます。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 15時59分

>としさん

すごくスケールの大きな、時間軸の長い詩ですね。
森の中でどうやって、水が浄化され、どうやって、人々に届けられるか、忘れがちですけど、大切なことですよね。
水はあって、当たり前になっちゃってるけど、水がないと死にますから。

それにしても、森はね・・・の続きがちょっと気になります。
でも、そこからは曲なんですか。
曲で森の成り立ちを、表現してるってことでしょうね。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時04分

>るりはさん

せっかくリンクするので、一人一人何か書いてみよう! と思いつきで印象、感想をつけました。
るりはさんをもっとアピールしときましょうか?(笑)

文章を書くのが好きなので、そういってもらえると嬉しいです!
でも、芸術の世界に生きるるりはさん。
ダメなところがあったら、びしっと指摘してくださいね。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時06分

>hikaru さん

そうです~。
一応、小説カテゴリーなので、物語なんです。
これからも、時々小説カテゴリーは登場させますから!

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時08分

>Jさん

春樹さんファンのJさんに、誉めていただけるとは。
僕はどうしても春樹さんの小説を読みこんでいるので、
似ているというか真似している感じになっちゃう部分があるんです。
でも、素人なんでそこまで考える必要はないんですけどね(笑)
これからも、楽しんで書いていこうと思います。

リンクはこちらこそありがとうございます~
リンク下のコメント、こんな感じでよろしいですよね。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時11分

>ハピィぱぱさん

最初は、花視点だけだったんですが、物足りない感じがしたので、自分視点も付け加えてみました。
ハピィと、ハピィぱぱさんの関係に似ているかもしれないですね(笑)

また、良かったら読んでくださいね~

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時13分

>まさ@茨木さん

まさ@茨木さんが小説っていうのはちょっと意外な感じがしました。
でも、残念ながらその小説読んでないです・・・

シュールな話は、はまる人にはバシッとはまりますよね。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時16分

>たけかなさん

いい感じですか。
ありがとうございます。

そうですね、哀愁は感じますよね。
後から読み返してみたんですが、そういう部分もありました。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時18分

>やまぶきさん

やまぶきさんの、書いているブログは面白いですよ。
文章そのものの雰囲気も好きです。
なんというか、やまぶきさんにしか書けない文で、
人を引き付ける何かがあるんですよ。

僕には、やまぶきさんのような文章は書けない。
やまぶきさんには、僕のようの文章は書けない。
それだけのことだと思いますよ~
文章って人それぞれですから。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時23分

>ぶぶぅさん

二度も読んでくれたんですか。
ほんと、ありがとうございます。
嬉しいですよ~

ぶぶぅさんの気持ちを少しでも持ち上げられたと
いうことは、もっともっと嬉しいことです。
今は、調子はどうでしょうか。

投稿: ぽとす | 2008年5月14日 (水) 16時25分

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